2012年10月1日月曜日

上原治夫作陶展 ―食器の様態―

九州福岡の静かな地、糸島で作陶されている上原治夫さん。
今年5月には、久しぶりにおじゃましました。

2年ごとに開催されている、故郷札幌での作品展です。
人とお酒をこよなく愛される上原さん。
そんな上原さんの優しさを感じる器に、会いにいかれてはいかがでしょうか。

上原さんも、会期中終日在廊されています。


食器作りの仕事をはじめて40年が過ぎました。
手慣れた技法の中にも初心の頃のおぼつかない気持ちを忘れずに楽しんで制作に励んでいます。
白瓷の平鉢、三島手の鉢や湯呑み、緑彩、藍彩の器も並びます。
何卒、ご高覧ください。

「上原治夫 作陶展」 ―食器の様態―
・期日 10月17日(水)―22日(月)AM10:00~PM8:00
・会場 札幌丸井今井本店1条館8階 美術工芸ギャラリー


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・「莫窯
住所 〒819-1143 福岡県糸島市高上342
電話 092-323-4022

2012年9月3日月曜日

またね ―JRA 札幌競馬場―

昭和46(1971)年から使用されてきた札幌競馬場が、今開催終了後にスタンドの改築工事を行うため、2年間休養することになりました。

9月2日(日)の最終日には、18.394名の入場者があり、開門前には約2,000人の列があったそうです。
午後に行ったら、重賞がない日であるにも関わらず、芝生席まで大勢の人があふれていました。


パドックに行くと、最終レースの出走馬が周回していました。
ここでしばらくレースがないことを、わかっているのかな。


合図と共に、ジョッキーが馬にまたがります。
それまでののんびりムードから、一気に緊張感がみなぎる、好きな瞬間です。


「先導は俺たちに任せておけや。」
誘導馬の中に、懐かしい名前を見つけましたよ。

15年以上通った札幌競馬場、色んなドラマがありました。
安田富男騎手が、ノーブルグラスで初の全10場重賞制覇を達成した場面が、とっても印象深いく記憶に残っています。
場内に響き渡った「トミオ!」コール。


ホクトベガ、マーベラスサンデー、セイウンスカイなどの札幌記念。
ヘヴンリーロマンスは、ここから天皇賞を制覇しましたね。
エアグルーブ、テイエムオーシャン、ファインモーションなどの名だたる名牝も、札幌を駆け抜けていきました。

個人的には、スリーコースの快速逃げが好きでした。


最終レースは的中しました。
ゴール前で歓声を上げるのも、しばらくお預けです。

初めて札幌競馬場に来た時、あまりの広さにびっくりしました。
毎年夏になると、広大な青空とグリーンカーペット、そしてホルモンの煮込みを楽しみに、競馬場を訪れるのが恒例になりました。


最終日恒例のコース開放、最後まで名残を惜しむ人たちで一杯でした。

次は2年後の平成26(2014)年の開催になります。新しいスタンドで観戦するのを、楽しみにしましょう。
どんな景色が見られるのでしょうか。

2012年9月2日日曜日

賑やかでした!大みやぎまつり!!

8月31日(金)・9月1日(土)の2日間にわたって行われた、「大みやぎまつり」。
宮城県の蔵元さん4蔵に来ていただいて、それぞれのお店でお酒を楽しんでもらおう、という内容です。
2日間、多くの方に参加していただきました。
本当にありがとうございます。

簡単ですが、2日間の様子です。
会場の混雑ぶりと滞在する時間のなさに、集合写真ばかりになってしまいました。


【8月31日(金)】

・平岸「味処 高雄」×「綿屋(栗原市 金の井酒造)」
栗原市のブランド豚“漢方豚”を用意したり、斗瓶取り大吟醸を用意して、三浦さんを大歓迎でした。
三浦さんはその穏やかな人柄で、参加者を楽しませてくれます。専門的な言葉も出てくるのですが、それを理路整然とわかりやすく解説してくださる、のにはいつもビックリです。

後で聞いた話ですが、日本酒をほとんど呑んだことがなかった女性に、三浦さんが丁寧にレクチャーしてくださったそうです。
そんな機会があれば、きっと日本酒を好きになってもらえることでしょうね。


・北34条「とりきん」×「宮寒梅(大崎市 寒梅酒造)」
北34条という場所柄、そして「とりきん」というアットホームな空間で、和やかな時間を楽しまれていました。岩崎さんも、お店の雰囲気に自然に溶け込まれていましたね。
用意されたフライヤーがわかりやすく、それを見ながら、みなさんすべての種類を呑まれていました。


・ススキノ「和食や 円」×「萩の鶴・日輪田(栗原市 萩野酒造)」
こぢんまりとしたスペースを、所狭しと動き回る佐藤さん。
出しているお酒の種類を絞ったのですが、テンポ良く注文が入ってみなさんお酒を楽しまれていたのと、「円」の料理との相性がとっても良かったですね。


・ススキノ「活食・隠れ酒蔵 かけはし HANARE」×「あたごのまつ・伯楽星(大崎市 新澤醸造店)」
前日までに席の予約がかなり入るほど、大繁盛でした。時間を1時間近くオーバーしていましたが、それでも満員のお店を新澤さんが走り回っていました。
新澤さんのわかりやすいお話に、参加された方も満足だったのではないでしょうか。


1日目は全体的に、のんびりと人が動いていたような気がします。
どの会場に行っても、和やかな雰囲気が印象的でした。


【9月1日(土)】

・北34条「とりきん」×「あたごのまつ・伯楽星(大崎市 新澤醸造店)」
のんびりとした雰囲気で始まりました。人の動きはあまりなかったのですが、その分新澤さんとゆっくりお話ができたのではないでしょうか。
新澤さんをほぼ独占できた時間帯もあったようです。とっても贅沢な時間ですね。


・ススキノ「活食・隠れ酒蔵 かけはし」×「萩の鶴・日輪田(栗原市 萩野酒造)」
当初は予約もあまり入っていなかったのすが、まつりの参加者と一般のお客さんが入り乱れて、佐藤さんは休む間もなく走り回っていました。途中でお酒が品切れとなり、お店まで取りに帰ることになるほど。
しかし、一般のお客さんから「このお酒好きだから、届くまで待ってる!!」という声が聞こえるなど、確実にこのお酒を好きになってもらえたという手応えを感じました。


・ススキノ「和食や 円」×「宮寒梅(大崎市 寒梅酒造)」
前日に続いて、ほのぼのとしている岩崎さん。和やかな雰囲気が伝わってくるでしょうか。
小上がりにいくつかのグループが入っていましたが、みなさんでお酒や料理をシェアしながら、楽しく呑まれていました。みんな仲良くなるのが、美味しいお酒の嬉しいところです。


・ススキノ「活食・隠れ酒蔵 かけはし HANARE」×「綿屋(栗原市 金の井酒造)」
最後にHANAREに着いたら、三浦さんがみなさんにグルッと囲まれていました。
前日ののんびりムードからは一転、気合いを入れた「かけはし HANARE」からは綿屋が全部で10種類近く用意され、それでもかなり量が呑まれたようです。
三浦さんも、ずっとしゃべりっぱなしでした。とにかく賑やかでしたね。

こちらも最後にみんなで記念写真。この会の様子を、小山内美香さんがご自身のBlogに書いてくださいました。ありがとうございました。
*“さっぽろ100マイル オサナイミカのつぶやき”「大みやぎまつりでもハシゴ!!


2日目は、1日目とは一転、賑やかな所が多かったですね。やはり土曜日ということで、遠慮なくお酒をを楽しむことができたのでしょうか。


蔵元さん、酒販店さん、そして飲食店さんが組み、手探りで行った今回の「大みやぎまつり」、まずは2日間楽しんでいただけたでしょうか。

これからも、気軽に蔵元さんとお酒を楽しめる会を実施していきます。
来年の「大みやぎまつり」も楽しみにしていてください。

2012年8月27日月曜日

日本酒スタンド 酛 ―新宿5丁目―

地下鉄新宿3丁目から徒歩数分。
昼から日本酒を楽しめる、居心地の良い空間があります。

ほぼ交差点に面したビルを地下に下ると、おしゃれな空間が。
それが「酛」さんです。

店内を見てみると、壁には蔵元さんからの書き込みでびっしりです。
カウンターだけのスタンドバーなのですが、こんな賑やかなところは立ち飲み屋さんの雰囲気と言ってもいいのではないでしょうか。


お酒の種類もさることながら、「酛」での楽しみは料理にもあります。
お通しの小鉢がまず楽しみなのですが、それ以外の料理も手をかけた美味しいものばかり。
ついついお酒が進みすぎる訳です。


「酛」と言えば、香川県の「川鶴」です。
川鶴酒造の川人裕一郎社長も、「酛さんには、大変お世話になっております。」と、強い繋がりがあることをお話しされていました。
その店ならではのお酒を呑むのも、お店での楽しみ方ですね。


店長の島田健太郎さん、ただお酒についての蘊蓄を話されるのではなく、楽しい雰囲気を醸し出すのが上手な方です。
リラックスして、楽しくお酒を呑めるのは、島田さんの人柄なのでしょう。

下の写真は、7月に「地酒屋こだま」の児玉さんとおじゃました時のもの、こんなお茶目な一面もあるのですね。


ちょっと時間がある時、または本格的にお酒を呑みたい時と、いろんな目的でおじゃまできるお店です。
新宿に寄った時は、欠かせないお店になりました。


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住所 新宿区新宿5丁目17-11白鳳ビルディング地下1階
電話 03-6457-3288
営業時間 15:00-23:30(土日12:00-21:00)/祝日休

2012年8月26日日曜日

こごたの地酒屋 斎林本店 ―宮城県美里町―

宮城県遠田郡美里町小牛田。
田園風景の広がる中に「斎林本店」はあります。
店の前には江合川が流れ、夏には目の前で花火大会が開催される、のんびりとした街です。


六代目の斎藤高史さんが店に戻ってきた時は、普通の酒屋さんでしたが、地元宮城県を大切にしながら、全国の蔵元さんと交流を持ち、地酒専門店として遠く離れた場所からも知られるお店になりました。

しかし、東日本大震災では、自宅と倉庫が全壊し、お店も大きな被害を受けました。
3月11日だけではなく、4月7日の余震では店にとってダメ押しとなるような、大きな被害がさらに出たそうです。
全国から多くの励ましを受け、1年以上経った現在になって、ようやく立て直しと修理が進んでいます。


店内を見てみると、たくさんのお酒が並べられていますが、圧迫感はまったくありません。空間を上手に利用されています。

お酒の種類も、地元宮城のお酒を始めとして、日本酒も焼酎も全国から集めた魅力的なお酒ばかり。
そしてそれぞれのお酒の説明を始めると、斎藤さんはもう話が止まりません。お酒に対する愛情と、自分の売っている商品への自信が、こちらに強く伝わってきます。


小牛田小学校の児童が作製した掲示物が貼ってありました。
職業見学に来たり、田植えや稲刈りをしたりと、地域に根付いた酒屋さんであることがわかります。

地元の子どもたちの中から、1人でも多く農業に関心を持って従事する人が増えたり、日本酒を呑む人たちが増えたりすれば、日本酒の未来は明るいですね。
そんなきっかけになっている斎林さんは、すばらしい酒屋さんだと思います。


ちょうどお店に来られた、阿部勘酒造店の阿部昌弘専務と、斎藤さん。
斎藤さんは僕と同じ歳ですが、頼れる兄貴分のようなかっこいい方です。


斎林本店は、基本的には町の酒屋さん、ネット販売は現時点では行っていません。
でも、直接お店に来ることができない遠くの方も、せめて電話でお話をすることで、お酒選びのお役に立てれば嬉しい、そんな気持ちのあふれた居心地の良い、安心できるお店です。


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住所 〒987-0003 宮城県遠田郡美里町南小牛田町屋敷124
電話 0229-32-4246

営業時間 09:00-20:00(日祝日09:00-19:00)/火曜定休

2012年8月25日土曜日

歴史の継承 ―新澤醸造店 三本木蔵―

旧宮城県志田郡三本木町。現在の大崎市三本木、新澤醸造店がある街です。
いつの時代も豊かな、鳴瀬川のほとりの穀倉地帯で、新澤醸造店は発展しました。


平成23(2011)年3月11日、東日本大震災による震度6強の地震で、新澤醸造店は全壊指定を受けました。
川崎蔵に造りの中心を移してからも、しばらくは建物が残っていたのですが、今年ついに解体されてしまいました。
解体された跡地を、見に来ました。

三本木のバス停で降りて、いつもの場所に立ちます。
建物だけではなく、門柱や塀も含めてすべてがなくなっていました。

事務所はどこか見てみると、すぐ左にあるとの看板が。
古い洋品店が、新澤醸造店の仮店舗になっていました。


蔵の敷地に戻って、全体を眺めて見ました。
「思っていたより狭い場所にあったんだな…」というのが正直な感想でしたが、後日杉原専務とお話しした時には、「思ったより、広いんだな…と思いました。」との感想を持たれたとのことでした。


蔵へと続いた道、解体前は道の右側に事務所と母屋があり、その向こうに3棟の蔵が立っていました。


みんなでワイワイとお昼を食べた場所も、今は更地となり、奥にコンテナだけが残っています。


コンテナの前に、ぽつんと犬小屋がありました。
人がいなくて活気がないと、とても寂しいね。

敷地の奥から、入り口側(道路側)を見てみました。
右手奥の道路側に見えるのが、現在の仮店舗です。こうやって見ると、結構広いのかもしれません。
左手の仙台銀行跡も近々更地になり、道路側に新澤醸造店の店舗と母屋を建て直すそうです。
残りの土地も、有効に使うことができるように、いろいろと考えているとのことでした。


新澤さんが来られたので、店舗の方におじゃましました。
札幌のみんなから送られた写真が、新澤さんの机から見える場所に、大事に飾られていました。


仮店舗の中には、蔵から運び出された昔のものがたくさん飾られていました。
新澤醸造店に縁の深い、土井晩翠の歌や愛宕の松の写真など。

古いかけ時計は、いずれまた動かしたいと思っているそうです。こうして新澤醸造店の歴史が、また紡がれていくのですね。


目に着く場所に、大きく名前の入った皮の鞄が大切に置かれていました。
新澤順吉さん、この方が、新澤醸造店を発展させたのだそうです。一番賑やかだった頃のお話も聞かせていただきました。


新澤醸造店の繁栄を表す琺瑯の看板。
新しい店舗に、この看板がかけられる日を楽しみに待ちます。


「写真をたくさん撮っておいてくださいね。」と新澤さんに言われました。
「以前あった三本木蔵と、現在の仮店舗、そして未来の三本木、さらには川崎蔵と新澤醸造店のすべてを見ておいてください。」と言っていただきました。
大切に記録しておきたいと思っています。

今回の訪問でも、やっぱり三本木は晴れでした。
青空に、鎮守様の木々が生えます。何度来ても、気持ちが良くなる場所です。


造りは川崎に移っても、新澤醸造店の心は三本木にあるのです。


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・「新澤醸造店(三本木本社)」
住所 〒989-6321 宮城県大崎市三本木北町63
電話 0229-52-3002