2012年3月22日木曜日

盃繋(はいけい)―10軒と東日本を繋ぐ 後編―

3月11日より、1週間行われた「盃繋」のレポート、後編です。

3月13日夜、「とりきん」さん。
※宮城県名取市で津波被害を受けた農家さんが米の代わりに生産したセリを使用
・鶏でダシをとった、根付きセリの小鍋(仙台セリ鍋)
・仙台セリの玉子とじ
・仙台セリの根 おひたし


お休みということで「とりきん」に来ていた「参醸倶楽部」のみなさん。
店長の佐々木文章さんと、佐々木修一さん。

3月14日夜、「Beast Kitchen」さん。
・シソ巻き(宮城県大崎地域の郷土料理、5種類くらいの味つけで)
・焼味噌
・仙台味噌漬の牛タン焼
・仙台味噌漬のホルモン焼


店長の三上さん、スタッフの長谷川さん、宮本さん。

3月15日夜、「蕎麦屋酒 艸菴(そうあん)」さん。
・ホロホロ鶏、三陸わかめ、仙台せりのしゃぶしゃぶ
・粕汁
・豆腐


被災地岩手県出身ということで、一段と力が入る店長の伊藤さん。
鍋奉行に変身です。

3月15日夜、「和食や 円(まどか)」さん。
・油麩と菜の花の玉子とじ(油麩は宮城県登米地方の特産品)
・三陸わかめの若竹煮
・三陸わかめと春野菜の酢の物
・円風 盛岡冷めん
・大根の三五八漬け

 

店長の竹下さんと、スタッフの二階堂さん。

3月17日夜、「味処 高雄」さん。
ちょうどこの日は、山形の米鶴酒造さんがいらしていました。
・仙台風セリと三元豚のしゃぶしゃぶ
・岩手ひっつみ煮
・福島いかにんじん
・山形玉こんにゃく


「米鶴酒造」梅津さんと、「ヤマショウ酒店」安部さん。
店長の綿谷健太郎さんと、綿谷愛さん。


今回の1週間で、酒は生産者と店とお客さんをも繋ぐということを、あちこちで実感しました。たくさんの人の輪ができていったと思います。

1回だけで終わるのではなく、まずは3年、5年、そして10年と、息の長い活動にしていきましょう。
来年も、みなさんとお会いすることを楽しみにしています。


――――
・「とりきん」
 (北区北32条西3丁目2-13 Leterre1F011-756-8510

・「Beast Kitchen(ビーストキッチン)」
 (中央区南2条西1丁目5-7第一広和ビル1F011-222-7566

・「蕎麦屋酒 艸菴」(ブログ
 (中央区大通西23丁目2-25ラ・メール円山公園1F011-622-2202

・「和食や 円」(ブログ
 (中央区南3条西3丁目プレイタウン藤井ビル3F011-211-4837

・「味処 高雄」(ブログ
 (豊平区平岸17丁目3-6豊栄ハイツ1F011-833-0063

2012年3月21日水曜日

盃繋(はいけい)―10軒と東日本を繋ぐ 前編―

3月11日から札幌市内の10軒を結ぶ、「盃繋(はいけい)」が開催されました。
被災地に想いをはせて、料理と日本酒を味わおうという企画です。
参加した10軒を、前後編に分けてレポートします。

今回、この企画のシンボルとなった、「あたごのまつ M」。
宮城県新澤醸造店のお酒、三本木蔵で最後に造られたお酒になります。


3月11日昼、「蕎麦切り 春のすけ」さん。
・茨城県のけんちん汁をベースにした、“つけけんちんそば”
・「伯楽星」の“酒粕アイス”


中山ご夫妻です。お昼から早速ありがとうございます。

3月11日夜、「酒とめし 参醸倶楽部」さん。
・岩手県産あべ鶏のつみれと芹の小鍋仕立
・宮城県石巻産生海苔とじゃこの佃煮
・宮城県仙台産芹とホタルイカの酢味噌


右が店長の小森さん、左が料理長の福田さんです。

3月12日夜、「活食隠れ酒蔵 かけはし HANARE」さん。
・被災地の日本酒を、いつも以上に楽しみやすい価格で提供


店長の蒲原さんと、お客のみなさんです。よく呑みましたね。

3月12日夜、「活食隠れ酒蔵 かけはし」さん。
・岩手鴨の朴葉焼
・茨城産の蓮根を使った、蓮根まんじゅう
・宮城県仙台産、曲がりねぎの一本焼き


店長の下川部さん、スタッフの只野さん、上田さん。

3月13日夜、「かもし家 淳吟」さん。
・青森県奥入瀬鶏の炭火焼
・仙台牛タン
・仙台和牛の炙鮨


店長の松本さんと、料理長の竹下さん。

期間中、どのお店におじゃましても、楽しく料理と日本酒を味わっているお客さんがたくさん見られました。
後編に続きます。


――――
・「蕎麦切り 春のすけ」(ブログ
 (東区北7条東3丁目15-72011-742-1290

・「酒とめし 参醸倶楽部」(ブログ
 (中央区南4条西6丁目10-1 2F011-222-4646

・「活食隠れ酒蔵 かけはしHANARE
 (中央区南4条西2丁目8-1131桂和ビル2F011-552-0870

・「活食隠れ酒蔵 かけはし」(ブログ
 (中央区南4条西2丁目8-1131桂和ビル4F011-552-9984

・「かもし家 淳吟」(ブログ
 (清田区北野71丁目長井ビル1F011-855-3440

2012年3月9日金曜日

盃繋(はいけい)―僕たちは、忘れない―

あの日から1年が経とうとしています。
札幌の飲食店10軒と協力して、このようなイベントを開催することになりました。
http://haikei.jimdo.com/

3月11日(日)~3月17日(土)の1週間です。


忘れたくても忘れられない史上最悪の震災、3.11東日本大震災から1年が経とうとしています。
復興は遅々として進んでいないにも関わらず、震災の話題・被災地の状況は以前より報道されなくなってきました。

3.11を目前に、10軒のお店を通じて札幌からの想い を伝えようと、僕たちのできることを考え、盃(酒)を繋いでメッセージを伝えよう、という想いをこめて「盃繋(はいけい)」と名づけました。 

... 日本酒を呑んで、被災地に想いをはせてみませんか。
料理を味わいながら、大地の恵みを感じてみませんか。

・特に震災で被害を受けた蔵元を中心に、多くの日本酒を用意しております。
(全店共通の想いのこもった日本酒もあります) 
・東北・関東各地の、地のものを大切にした料理を用意しております。

各地に想いをはせながら、日本酒と料理を楽しんでいただければと思っております。 
期間中、ぜひそれぞれのお店の日本酒と個性ある料理を味わってください。

10軒の中の、いつものお店で呑むだけでもいいんです。
でも、これを機会に新しいお店を覗いてみたり、何軒かハシゴされたりするのもいいと思います。

僕たちは、「消費する」という形で応援していきたいと思っています。

【参加店】(50音順)
・「味処 高雄」(ブログ
 (豊平区平岸17丁目3-6豊栄ハイツ1F011-833-0063
・「活食隠れ酒蔵 かけはし」(ブログ
 (中央区南4条西2丁目8-1131桂和ビル4F011-552-9984
・「活食隠れ酒蔵 かけはしHANARE
 (中央区南4条西2丁目8-1131桂和ビル2F011-552-0870
・「かもし家 淳吟」(ブログ
 (清田区北野71丁目長井ビル1F011-855-3440
・「酒とめし 参醸倶楽部」(ブログ
 (中央区南4条西6丁目10-1 2F011-222-4646
・「蕎麦切り 春のすけ」(ブログ
 (東区北7条東3丁目15-72011-742-1290
・「蕎麦屋酒 艸菴」(ブログ
 (中央区大通西23丁目2-25ラ・メール円山公園1F011-622-2202
・「とりきん」
 (北区北32条西3丁目2-13 Leterre1F011-756-8510
・「Beast Kitchen(ビーストキッチン)」
 (中央区南2条西1丁目5-7第一広和ビル1F011-222-7566
・「和食や 円」(ブログ
 (中央区南3条西3丁目プレイタウン藤井ビル3F011-211-4837

 各店の営業時間、定休日もありますのでお電話にてお問い合わせ下さい。

2012年3月3日土曜日

第72回「味百仙」吟醸酒会

2月24日。
今年最初の吟醸酒会です。

今回は参加が12名と少なめだったので、人数分の四合瓶が並びました。
とは言え、もう廃業してしまった蔵のお酒だったり、いろいろな金賞受賞酒が並んでいたりと、よくよく見てみると、かなりのラインナップです。
普段の吟醸酒会より、お酒の金額が高いのではないでしょうか。


ということで、今回のお酒は以下の12本でした。
・「北の錦」(栗山)大吟醸 金賞受賞酒 16BY
・「千歳鶴」(札幌)大吟醸 金賞受賞酒 17BY
・「雪の花」(小樽)大吟醸 雫生酒 15BY
・「十四代」(山形)純米大吟醸 龍泉
・「根知男山」(新潟)純米吟醸 nechi 18BY
・「磯自慢」(静岡)純米吟醸 中取り 23BY
・「磯自慢」(静岡)愛山純米大吟醸 中取り 23BY
・「義侠」(愛知)特栽60% 17BY
・「天狗舞」(石川)真精純米大吟醸 純吟 22BY
・「早瀬浦」(福井)特吟 18BY
・「梵」(福井)純米大吟醸 超吟 17BY
・「美丈夫」(高知)大吟醸 金賞受賞酒 21BY

料理も、いつものように酒呑み心をくすぐる小鉢から始まり、


どーんと、蟹とお刺身が並び、


あわびやまぐろ、ツブなどのお刺身に十分満足しているところに、1人1尾ずつキンキの煮つけが登場です。贅沢すぎ、なのですが、もう感覚が麻痺してきますね。


じゃがいものバター煮の後は、いくら丼と、味百仙のおなじみメニューでお腹が一杯になります。
お酒も料理もしっかり堪能しました。


今回の会は、いつものようにブラインドで利き酒をするのではなく、料理と好きなお酒を楽しむ会になりました。
人数も少なかったからか、全体的にのんびりとした雰囲気が流れていました。
こういう会もいいですね。

次の吟醸酒会は、4月7日の「伯楽星の会」ですが、わずか2日で満席になりました。
さらにその次は、6月に「瀧自慢の会」を開催予定です。


――――
・「居酒屋 味百仙
住所 〒060-0807札幌市北区北7条西4丁目宮澤ビル地下1階
電話 011-716-1000
営業時間 17:00-24:00/日曜祝日定休

2012年3月2日金曜日

新しい蔵の味 ―新十津川 金滴酒造―

札幌や函館の料飲店さんに混じって、6名で新十津川町の「金滴酒造」におじゃましてきました。


着いたらちょうど麹を切り返す時間。
川端杜氏に案内されて、すぐに麹室に向かいました。


麹米の広げ方、そして返し方、杜氏の考え方・話の進め方に筋が通っているので、話がとってもわかりやすいですね。
どういう考え方で、それぞれの作業をしているのか、簡潔に説明してもらえます。


もやしを振ったら、時間をはかって切り返します。
それぞれの動きや切り返し方にもちゃんと意味があるので、見学していても「なるほど」と思うことがあります。


ここからは秘伝ということで書くことができませんが、川端杜氏は独特のやり方で麹を鍛えていました。
しっかりと破精込んだ、強い麹をつくることを目的にしているそうです。

続いて麹蓋の積み替えを見せてもらいました。
温度などの条件が均等になるように、麹の様子を見ながら積み替えていきます。
杜氏はたまたま麹蓋の蔵を回っただけとのことですが、動きのリズムの良さから麹蓋の扱いに慣れていることがわかります。


洗米は袋に入れて丁寧に行っています。
作業の様子を見ていると、杜氏と蔵人さんとのコミュニケーションがとれていて、雰囲気の良さが伝わってきます。
400石という小さな蔵だからこその、メリットでしょうか。


今は小さく静かな蔵の中にも、以前の名残があちこちに見られます。

話題の新米。空育177号。


今は全量、ヤブタで搾っていますが、その隣には八重垣式の槽がありました。
槽で搾るところもぜひ見てみたいものです。


必殺の、見事な泡消し。
ついうっかり調子に乗ってしまったそうです。


最後に試飲をさせていただきました。
今の課題は、「吟風と彗星の特性を考えながら、どう精米歩合を考えていくか。」ということだそうです。
北海道産の米にこだわる蔵が増えてきたのは、本当に嬉しいことですよね。


川端杜氏が蔵に入った時は、実質的に以前の金滴は造られていませんでした。
昔の金滴の味を知らないので自由にお酒を造れる半面、金滴の名前は残るので、見えない敵と戦っていかなければなりません。


川端杜氏の造りは、まだまだ始まったばかりです。


――――
・「金滴酒造」(ブログ
住所 樺戸郡新十津川町中央71-7
電話 0125-76-2341
定休 土日祝日定休