2012年1月26日木曜日

蔵仕事を学ぶ 2日目 ―奈良御所 千代酒造―

1月5日、千代酒造2日目です。
蒸米が上がる時間を目指して蔵に向かいました。
6時半頃蔵に着くと、周りはまだ真っ暗です。

7時に蒸しあがるということで、休憩をとっていたみなさんも、徐々に集まってきました。
時間になったので、甑の覆いを外すと、爆発するかのように大量の蒸気があふれ出してきます。


始めは麹用の米が出てきました。
すぐに放冷機に移し、麹をふります。
麹を室でふるのか放冷中にふるのかは、米の種類や状態、仕込むもろみの種類などによって、変えているようです。


麹をふった蒸し米は、すぐに麹室に引き込まれます。
テンポ良く進む作業の様子から感じる、チームワークの良さは酒蔵ならではですね。


生もと用の掛け米は、仕込み場に持って行って冷まします。
夕方、生もとの仕込みがあるので、何度か手を入れて冷ましながら、米全体の温度を安定させていきます。


この後は、出荷のお手伝いをしました。
蔵ごとに箱詰めや、パレット上でのP箱の組み方などが違います。
こういうところも見ていておもしろいですね。


午後最初の仕事は洗米です。
考えてみると、半仕舞でも、毎日のように同じような作業が続きますね。
そして、作業が終わったらすぐに掃除。これはどこの蔵でも鉄則です。


午後3時頃になったので、生もとの仕込みに入ります。
まずは、先程の蒸米を量って正確に6等分し、6つの半切桶に分けてから、手を入れながら米の温度を下げていきます。


続いて、麹を投入し混ぜます。
最後にすべてを合わせた時の温度を計算しながらの作業なので、掛け米と麹の温度に気をつけながら混ぜていきます。


最後に水を加えます。
水温は5度以下なので、半切に水を入れられた瞬間悶絶します。
でも弱音を吐いてはいられません。


ひたすら手を入れて、このようにすべて均等になるようにします。
あまりの冷たさに、手が赤いのを通り越して、黒くなっていました。

翌日からの荒踏みや、もと摺りなどはできませんでしたが、これからどういう成長をしていくのか、とても楽しみです。
夏のお酒の会の目玉ができました。

少し休憩した後は、最後に麹室で麹に手を入れます。
先程の凍りつきそうな作業から、一転して汗だくの作業、いい加減なことをしていると、すぐに体調を崩しそうです。蔵人さんたちを尊敬すると共に、美味しいお酒を仕込んでもらえることに感謝です。


この後は温度管理をしながら、手を入れていきます。
蔵人さんの睡眠不足の理由が、麹の手入れ。
でも、手を抜けないところです。

朝6時半に蔵に入り、あっという間に夕方の17時を回っていました。
1日が本当に速いですね。

今回は2日間で、洗米・放冷・袋洗い・掛け米の手入れ・蒸し・出荷・生もとの仕込み、そして麹の手入れと、本当に多くのことをさせていただきました。
快く機会を作ってくださった、堺社長と千代酒造のみなさんに大変感謝しております。
ありがとうございました。

7月、北海道での千代酒造の会3連発、とっても楽しみにしています。


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・「千代酒造」
住所:〒639-2312奈良県御所市櫛羅621
電話:0745-62-2301

2012年1月25日水曜日

蔵仕事を学ぶ 1日目 ―奈良御所 千代酒造―

葛城山が雪で白くなった1月4日、まだ正月気分も抜けないうちに、奈良県御所市の千代酒造におじゃましてきました。

今回は蔵仕事のお手伝いをさせていただけると言うことで、いつもと違ったワクワク感がありました。
前日はお酒を呑まないで、気持ちを引き締めたほどです。(それまで毎日呑みすぎただけです)

千代酒造は、「千代」「篠峯」「櫛羅」の3銘柄を造る、約500石くらいの蔵元さん。
堺社長に初めてお会いしたのは、平成20(2008)年4月27日(土)、東京大森の「吟吟」さんでした。
その年の7月に蔵におじゃまして以来、それからは毎年伺うようになりました。

堺社長が北海道出身という縁で、毎年7月には札幌で堺社長を囲む会を開催させていただいてます。そんな事もあり、自分にとっては身近な蔵元さんなのです。

近鉄御所駅からタクシーに乗り、しばらく走ると、だんだんのどかな光景が広がってきます。
白壁が見えてくると、そこが千代酒造です。

今回、最初の仕事が洗米です。
まずは生もと用の掛け米を洗うのですが、基本的に洗米機で洗うので、見ているだけです。
それでも米の投入から、洗米、浸漬までの流れを見ていると、酒造りの大切な工程だと言うことがわかります。
米が生きているようです。


大きめの洗米機だったので、あっさりと浸漬まで進みました。
今回は70%精米だったのですが、ここから低精米になればなるほど、浸漬時間が大幅に増えていくそうです。

午前中の洗米が終わったので、袋しぼり用の袋洗いをしました。
近々、純米吟醸の搾りがあるので、もう一度洗っておかなければなりません。


最初は櫂棒で大ざっぱに洗い、その後は1つ1つ手洗いになります。
井戸水の水温が高いので、水の冷たさは気にならないのですが、ナイロン製の袋を何十枚も洗っていると、手の脂がとれてガサガサしてきます。2人で作業したので、おしゃべりしながらでしたが、1人でやっていたらくじけそうな単純作業でした。
全部洗ったら、さらに冷たい水でもう1度洗い、その後はアルコールにつけます。

休憩時間の間に、仕込み場の中を見せていただきました。
櫛羅純米吟醸のもろみ25日目、後数日です。かなり表面が落ち着いてきました。


篠峯八反純米吟醸のもろみ10日目、これからますます元気になってきます。
あまりの香りの良さに、思わずタンクに身を乗り出してしまいました。
鼻に強烈な刺激を受けてむせかえり、涙目になったのは言うまでもありません。


こちらは酒母です。今年は全体的に順調だそうです。
ムクムクと動く酒母を見ていると、生命力を感じますね。


午後からは、また洗米です。
大吟醸や純米吟醸用の米なので、1階の洗米機を使います。
千代酒造ではMJP方式の精米機を使用しているので、上から投入された米を大量の泡で洗い、一定の時間が過ぎたら、きれいな水ですすぐという手順で行います。

その後は浸漬になるのですが、午前中の70%の米と違い、40%や50%の米なので、その分だけ時間に厳しくなります。
ストップウォッチで時間を計ったら、機械に載せて、カゴの中の水分を真空にして抜きます。
そのおかげなのか、見た目は米が一段とさらさらになっているようです。


水を切った後は、翌日の蒸しに備えます。
実際に手を入れてみると、サラサラして気持ちがいいですね。


この日の作業が一段落したので、蔵の中をうろうろとしてみました。
翌日仕込む生もと用の麹、斗瓶、金賞酒を毎年仕込んでいるタンクなど、それぞれが出番を待っているようです。
蔵の中に、静かな闘志を感じます。


ピンと張りつめた冷たい空気の中、外に出てみると、タンクの跡が残っていました。
以前は大手の蔵に桶売りをしていたので、その名残です。
石高も現在の10倍あったそうです。


気がついたら、こんな時間になっていました。
この日は堺社長と橿原の街に出て、楽しいお話をしながら軽く1杯。次の日の活力を補充してきました。


今回はお手伝いをさせていただいたのですが、自分の写真が1枚もないので、写真に登場している方は、堺社長と蔵人さんのみなさんです。


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・「千代酒造」
住所:〒639-2312奈良県御所市櫛羅621
電話:0745-62-2301

2012年1月16日月曜日

二喬/NIKYO ―仙台浅草―

JR・地下鉄北仙台駅から数分の場所にある、仙台浅草。
賑やかな国分町とは違い、昭和の香りが残る静かな街並みです。

その一角に、12月16日(金)、一軒の和酒バルがオープンしました。「二喬/NIKYO」です。
“二喬”とは、『三国志演義』に出てくる“江東の二喬”こと、大喬と小喬の美人姉妹です。

「月も光と消してしまい、花も恥じらってしまう」と謳われた、二喬への想い、新しいお店への意気込みが感じられます。

小林龍星さんは、東京の酒販店で働いた後、オーストラリアに渡ってワインの勉強をしました。
酒販店勤務時代から、 お酒に対する鋭い味覚と造詣には定評があり、仙台に移ってからは飲食店などで働きながら、開店への準備を進めていました。


店内はカウンターと、小さなテーブルだけの小ぢんまりとした雰囲気。
大人の隠れ家と言った感じでしょうか、今日も満席です。
お店の随所に、龍星さんのこだわりが見られますね。


こうやって見ると、一合枡の高さって、
ずいぶんとまちまちですね。

お通しはわさび漬とゆずのリキュール、そしてメニューにはさまざまなタパス。
この日は、さっぱりオイルサーディン、モチモチギョーザのコンソメソース掛け、チーズ盛り合わせとお酒を楽しみました。
個人的にはモチモチギョーザのコンソメソース掛けがお気に入り。


だんだんお店が空いてきたので、龍星さんとゆっくりおしゃべりをしながら盃を重ねていると、かわいらしいニットの帽子をかぶった男性がお店に入ってきました。

新澤醸造店の新澤社長でした。
つい2週間前にも、突然の来店にびっくりさせられたような気がします。

急遽3人で忘年会となりました。
言葉に表せない大変な1年でしたが、でもその事がなかったら、こうして「二喬」で呑むこともなかったかもしれません。
お酒の縁は不思議です。

「無理に最初からお店を宣伝するのではなく、お酒の好きな人が集まってくる場所にしたい。」
そんな龍星さんへの期待が、多くのお祝いにも表れているのでしょう。
お祝いのお花の中に、とってもなじみ深い名前があったので、証拠写真です。


気心の知れた3人で楽しく呑む年の暮れ。
いつ来ても、そんな仲間が必ずいそうなお店、それが「二喬」です。
仙台にまた居心地の良い場所が増えました。


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・和酒バル「二喬/NIKYO」
住所 〒981-0913宮城県仙台市青葉区昭和町5-55
電話 022-728-2033
営業時間 18:00-23:00(ラストオーダー)、日曜日12:00-18:00/月曜定休

2012年1月1日日曜日

今年もよろしくお願いします

平成24(2012)年が明けました。

昨年は3月11日以降、あまりにも変わってしまったことがたくさんありましたが、それ以上にいろいろな未来への力を感じた1年でもありました。
今年はさらに少しでも、平和で落ち着いた歩みを起こせる1年であってほしいと思っています。

写真は、毎年定点撮影をしている、静岡県富士市の東海道本線東田子の浦駅から見た富士山です。
残念ながら、雲が張っていて山頂は見えませんでしたが、これから少しずつ雲が晴れて、最後にきれいな山頂が見えれば、それでいいと思っています。
慌てず、ゆっくりと。


今年も心がけていきたいことは、美味しく楽しく日本酒を呑むこと、より日本酒を知り、より日本酒を伝えていくこと。
のんびりと、自分のペースで動いていこうと思っています。

みなさん、今年もよろしくお願いいたします。

2011年12月31日土曜日

1年間ありがとうございました

今年は大変な年でした。
3月のあの日から、あっと言う間に9か月が経ち、平成23年が終わろうとしています。

悲しい出来事がありました。それはいまだに終わってはいません。
でも未来を向いて動き出している人たちもたくさんいます。

いつまでも過去にしばられるのではなく、明るく次のことを考えながら新年を迎えたいと思います。
当たり前のようにお酒を楽しむことができる毎日に、感謝しながら。


宮城県気仙沼市大島小田の浜で見た日の出