2011年10月6日木曜日

かっぽ酒を楽しむ午前、塩と円熟の日本酒について楽しむ午後

10月1日、日本酒の日。
いつもは月末なのですが、今回はあえてこの日に栗山駅に降り立ちます。

第122回「造り酒屋をもっと知る会」。
基本的に毎月1回開催されていますが、会を始めて今回でちょうど10年になるという、10周年記念の会。
こんなに続いている会は他には聞いたことがありません、続けるということは本当にすごいことだと思います。

本来なら気持ちの良い秋空のもと、温かく薫り高い「かっぽ酒を楽しむ」予定が、あいにくの雨。
しかも豪雨。


さて、どうなることかと、蔵に向かいます。
メンバーが全員集まったところで、本日の会が開始。
とりあえず、天気のようすを見ながらということで、もう1つの重要なテーマである「塩と円熟の日本酒とのマリアージュ」について、精志さんがお話を始めようとすると、ちょうど雨が小ぶりに。
あわてて外に向かいました。

京都の職人に特注で作ってもらった、青竹の酒器にお酒を注いで炭火で温めます。


お酒が温まるのを待っている間に、酒の肴を用意します。
それがなんと、ご飯!
精志さんお手製のゴマ塩をふったご飯と、お酒を合わせてみようとのことです。燗がつくまで待ち切れず、ついついつまみ食いをする人が多数。


しばらくすると、ちょうど燗がついたかっぽ酒が振る舞われます。
気のせいかもしれませんが、少しお酒にとろみがついたような…


口に含むと、竹の芳香が鼻の中に広がります。
お酒にも若竹の風味がついて、まずはその若々しさを楽しみます。そして、その青臭い竹の風味が、不思議とゴマ塩かけご飯に合うのです。
冷えたご飯は日本酒に合うとは思っていましたが、まさか炊き立てのホカホカごはんが、日本酒の肴になるとは…自分の中での新発見でした。

香りただよう温かいかっぽ酒と、ホカホカのご飯にゴマ塩、この組み合わせは冷え切った身体には、最高のごちそうです。


酒器の周りにちりばめられた赤いもみじが、秋の終わりを告げているようです。
冬の訪れを前に、身も心も豊かになるお酒でした。

さて、かっぽ酒に後ろ髪をひかれながらも、先ほどのもう1つの講義再開です。
まずは3種類の塩を用意し、味見をしてみます。


左から、
A:粗めだが甘みを感じる塩「小花」
B:ややシャープだがやんわり味を感じる塩「さんごマース」
C:まろやかだがしょっぱさがストレートに感じられる「雪塩」


そして、その塩と色々な食材を組み合せてみます。


今回用意された食材は、黒糖チョコ、ほうれんそう、きゅうり、食パン、モッツァレラチーズ、松の実、カシューナッツ、黒酢大豆、のり。
これらを単品だったり、複数を組み合わせたりしながら、塩と古酒との相性を楽しんでみます。


写真のお酒は秘蔵純米酒の10年古酒。
モッツァレラチーズにわさびと塩をのせて合わせてみました。
きれいに熟成し、味が深くなっているので、チーズとの相性が良かったですね。わさびの風味がいいアクセントです。

個人的に一番驚いたのは、食パンに松の実と塩をのせてから、ほうれんそうでくるむ「世界で一番ヘルシーなサンドうぃっち」でした。パンがが日本酒の肴になるなんて想像できませんでした。
こういう発見がこの会の楽しみです。毎回のことながら、精志さんの発想の面白さには脱帽です。

会の最後は、みんなで精志さんの誕生日と知る会の10周年をお祝いしました。
10月1日、日本酒の日に生まれた精志さん、これからも知る会を中心に色んなイベントで、日本酒の楽しさを広めてくれることを楽しみにしています。


会が終わってからは、「錦水庵」のお蕎麦で〆ました。
ちゃっかりとお酒が残った竹の酒器を持ちこんでいたので、最後までかっぽ酒を楽しむことができました。竹の香りにつつまれ、〆にせいろをいただき、ご機嫌な気持ちで栗山を後にしたのでした。



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・「小林酒造」
住所 〒069-1521夕張郡栗山町錦3丁目109
電話 0123-72-1001

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