前日の7日には、会場の「澪工房」に20名ほどが招かれ、上原さんの器と共に食事とお酒を楽しみました。
今回は上原さんの器に、ススキノ「味重」の料理を合わせます。器と料理の取り合わせが、とっても美しく、官能的ですらあるように思います。
常々上原さんは、「器は料理をもって完成する。」とおっしゃられています。
まさにその言葉の通り、決して料理の邪魔をせず、しかし、器と料理がお互いに調和しているのが感じとれます。
お弁当の器の木目と、椀の控え目な日月との取り合わせに、落ち着きが感じられますね。
そして寄りそうように、一人一人に異なった上原さんの酒器が用意されています。
僕のは、粉引きの杯でした。粉引きを好きなことを、上原さんは覚えていてくださったのでしょうか。
酒器の下には、澪工房のコースター。
置かれた器と自然に調和しています。
それぞれの酒器は、最後にいただくことができました。
器は使うものとはいえ、このように置いて眺めるだけでも幸せな気持ちになります。
今回の会では、お酒を1本選ばせてもらうことになりました。
そこで持ち込んだのが「伯楽星」純米吟醸。
「伯楽星」純米吟醸は、今回の上原さんの器のイメージ、うかがっていた食事のイメージ、さらにパーティーの後半はワインが主になるであろうということを考えた時、美味しく呑んでもらえるお酒ではないかな、と思って選びました。
みなさんに好評でホッすると同時に、喜んでいただいて嬉しかった。
「伯楽星」は、前日夜、上原ご夫妻とご一緒した時に、気にいっていただいたお酒でもあるのです。
僕は乾杯の大役を仰せつけられて、緊張しましたが。
今回の仕掛け人、「澪工房」の南社長。
木のやわらかさを生かした、そして自ら酒呑みの視点から作られた家具は、どれもほしくなってしまうものばかりです。
食事が一段落ついた頃、みんなで展示場の方に移動します。
夜と昼とではずいぶんと雰囲気は変わるでしょうが、器と家具と灯りがやわらかい落ち着いた雰囲気を出しています。
このまま、ここでのんびりとくつろぎたくなるくらい。
今回は、奥様の上原敬子さん作の手織りマフラーやストールも並びます。
風合いの優しさからか、手に取るだけで心が落ち着き、気持ちが暖かくなる、そんな織物ばかりでした。
故郷の札幌で、古くからの友人・知人に囲まれ、すっかりリラックスされた上原さん。
美味しい料理とお酒も入って、 優しい笑顔が多くなります。
奥様とご一緒の写真も、ちょっと照れくさそうではありますが、自分の故郷だからか、安心した優しい表情です。
普段は優しい表情の奥に見られる、厳しい真剣なまなざしも、今日だけはやわらかいまなざしになっています。
最後は「洋菓子工房 べんべや」のチーズケーキで〆ました。
上原さんの器と、奥様のマフラー、さらには澪工房の家具の暖かさがそのままにあふれた時間でした。
参加者のみなさんが、心もお腹も充実した時間をすごされたのではないでしょうか。
3連休の作陶展、多くの来場者があり大成功だったとのこと。
北海道の多くの家庭やお店の食卓に上原さんの器が並び、みなさんが豊かな時間を過ごされていることでしょう。
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・「莫窯」
住所 〒819-1143 福岡県糸島市高上342
電話 092-323-4022
・「澪工房」
住所 〒003-0002 札幌市白石区東札幌2条4丁目8-18
電話 011-816-6797
営業時間 10:00-18:00/水曜定
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