2012年3月2日金曜日

新しい蔵の味 ―新十津川 金滴酒造―

札幌や函館の料飲店さんに混じって、6名で新十津川町の「金滴酒造」におじゃましてきました。


着いたらちょうど麹を切り返す時間。
川端杜氏に案内されて、すぐに麹室に向かいました。


麹米の広げ方、そして返し方、杜氏の考え方・話の進め方に筋が通っているので、話がとってもわかりやすいですね。
どういう考え方で、それぞれの作業をしているのか、簡潔に説明してもらえます。


もやしを振ったら、時間をはかって切り返します。
それぞれの動きや切り返し方にもちゃんと意味があるので、見学していても「なるほど」と思うことがあります。


ここからは秘伝ということで書くことができませんが、川端杜氏は独特のやり方で麹を鍛えていました。
しっかりと破精込んだ、強い麹をつくることを目的にしているそうです。

続いて麹蓋の積み替えを見せてもらいました。
温度などの条件が均等になるように、麹の様子を見ながら積み替えていきます。
杜氏はたまたま麹蓋の蔵を回っただけとのことですが、動きのリズムの良さから麹蓋の扱いに慣れていることがわかります。


洗米は袋に入れて丁寧に行っています。
作業の様子を見ていると、杜氏と蔵人さんとのコミュニケーションがとれていて、雰囲気の良さが伝わってきます。
400石という小さな蔵だからこその、メリットでしょうか。


今は小さく静かな蔵の中にも、以前の名残があちこちに見られます。

話題の新米。空育177号。


今は全量、ヤブタで搾っていますが、その隣には八重垣式の槽がありました。
槽で搾るところもぜひ見てみたいものです。


必殺の、見事な泡消し。
ついうっかり調子に乗ってしまったそうです。


最後に試飲をさせていただきました。
今の課題は、「吟風と彗星の特性を考えながら、どう精米歩合を考えていくか。」ということだそうです。
北海道産の米にこだわる蔵が増えてきたのは、本当に嬉しいことですよね。


川端杜氏が蔵に入った時は、実質的に以前の金滴は造られていませんでした。
昔の金滴の味を知らないので自由にお酒を造れる半面、金滴の名前は残るので、見えない敵と戦っていかなければなりません。


川端杜氏の造りは、まだまだ始まったばかりです。


――――
・「金滴酒造」(ブログ
住所 樺戸郡新十津川町中央71-7
電話 0125-76-2341
定休 土日祝日定休

0 件のコメント:

コメントを投稿