亀山を左に望み、浦の浜に近づいて来ると、以前よりも養殖イカダの数が多くなっていました。
10か月ぶりに大島に上陸です。
港に着くと、乗客と自動車が一斉に動き始めます。夏の大島に、少し活気が戻ってきました。
フェリーに貼られた横断幕に、応援するみんなの気持ちがこもっています。
とは言え、まだまだ津波の痕跡がなくなった訳ではありません。
海底に沈む漂流物との戦いは、まだまだ続いているのです。
傍らにはサルベージされた重油タンクが転がり、津波から難を逃れた「海来」にいたっては、船底を痛めてしまったそうです。
現在修理待ちだとか。
リフトの跡地を通り、観光協会に向かって歩いていると、ひまわりの花が植えられていました。
「津波に負けないぞ。」という気持ちと、「美しい大島を再生させたい。」という気持ちが伝わってきて、胸が熱くなります。
自転車で、島内を移動してみました。
浦の浜から田中浜に抜ける道は、こんなに何もなかったのでしょうか。
3月11日には、それぞれの浜から進入した、この青看板の先で津波がぶつかり、大きな水柱が立ったのです。
島のみなさんは、「覚悟を決めた。」という話を伺いました。
でも、まだまだ堤防の修理までは手が回っていません。
こんなに海も空もきれいなのに、
海底をさらっていないので、
今年も田中浜では海水浴ができないそうです。
田中浜から、小田の浜に移動しました。
最後の小さな丘を越え、下り坂を滑っていきます。自転車に乗っていると、潮風がとっても気持がいい。本来は、そんなのんびりした場所なんです。大島は。
小田の浜を抜けて、長崎まで来ると、お世話になった民宿の敷地に重機が入っていました。
好きだった景色がまた1つ減りました。
港に茂った青い藻が、満潮時の冠水を表しています。
傾いた灯台といい、まだまだこの辺りは手つかずです。
のんびり泳いでいるカモメたちは、大津波があったことを覚えているのかな。
小田の浜は、海水浴場としてオープンしていました。
今夏、宮城県で唯一の海水浴場だそうです。
お客さんはまだまだ少ないのですが、夏の大島にははしゃぐ人の声が似合います。
海辺で食べる、気仙沼ホルモンは美味しかったです。
今回の震災で、あらためて大島架橋が必要だという話になったこと。
ただ橋ができることによって、島の人口が減少しないか心配だということ。
わかめの養殖についてのこと。
そして、2月から4月の間であれば、わかめを直送してくれるということ。
あの美しい「緑の真珠」の復興に向けて、一歩一歩歩んでいるのです。
帰りのフェリーに乗ると、
いつものようにかもめが見送ってくれました。
「またおいで、今度はもっと復興しているから。」という、
かもめの声を耳にして、
大島を後にしました。
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・「気仙沼大島観光協会」
住所 〒988-0665 宮城県気仙沼市浦の浜108-11
電話 0226-28-3000
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