2012年2月4日土曜日

素朴料理 日本酒 あらまつ ―大阪熊取―

和歌山県に近い大阪府泉南郡熊取町、関西国際空港の近くと言った方がわかりやすいかもしれません。
静かな街の住宅街に「素朴料理 日本酒 あらまつ」があります。

一見お店には見えない佇まい。
それもそのはず、実は自宅でお客さんをおもてなしているのです。

shigeちゃんこと、荒松成徳さんが「あらまつ」を開いたのが、平成19(2007)年9月でした。
完全予約制の店として、地元泉州産の野菜と各地の豚にこだわり早4年。

今では1日1組限定とし、ゆったりとした時間の中で、料理と日本酒を楽しめるようになっています。

素材の良さを引き出すために、余計なことはせず、時には大胆にほとんど何もせず、でも必要であれば徹底的に手をかけていくというのが、「あらまつ」流でしょうか。

大根の焚いたん、出汁だけでシンプルに焚いた大根です。
単純な料理だけに、食べた時の感動が大きく、その後の料理が楽しみになってきます。「あらまつ」のお客さん、みんなが好きな大根です。

 
鳥羽産 赤ナマコの茶降り、番茶で炊いた赤ナマコです。
あくが抜け、ナマコの風味と歯応えを単純に楽しめます。


お酒は全国を回って来たshigeちゃんが、自分で選んだお酒ばかり。料理のじゃまをせず、料理と酒のお互いをひきたてるものが多いですね。


じゃがいも煮、出汁とバターでさらっと煮たじゃがいもです。
歯ごたえは残しながらも、土臭さはなくなり口の中でさらっと崩れる矛盾した感触。
火の通し方が絶妙なのでしょう。


ちぢみ菜とうすあげの煮浸し、美味しい野菜は茎に味があるのですが、このちぢみ菜は葉の味も濃くしっかりしています。
菜っ葉とうすあげとの相性の良さに気づいた先人に感謝ですね。


料理との相性も考えて、適切なお酒のアドバイスもしてもらえます。
有名無名に関係なく、しっかりと味を確認した上でお酒を選ぶshigeちゃん。前回あったお酒がなくなっていたりするかと思えば、新しい銘柄が入っていたりします。

そんなお酒との出会いも、楽しみの一つ。

イベリコ豚ロース ベジョータ血統100%の自家製塩麹漬グリル、豚肉は「あらまつ」がずっと力を入れてきた素材。塩麹で引き締まったのに、味は余計に濃くなります。
口に入れて噛んでみると、自然に笑いがこみあげてきます。


泉州沖の赤舌平目(ウシノシタ)の煮つけ、25cm近くあるウシノシタ。身の厚みと感触が、ついつい箸をつけてしまいます。煮汁の味が濃くもなく薄くもなくちょうどいい。ご飯にかけると美味しそうです。


ほうれん草の胡麻酢和え、味のしっかりした骨太なほうれん草。
泉州の大地の恵みです、本当に味の濃い野菜ばかり。「あらまつ」を知るまでは、泉州のことを何も知りませんでした。


いちごの白和え、ご飯に入る前にいちごで口直しというのが意外です。
白和えにすると酸味が抑えられて甘みが増すのですが、逆に口の中がすっきりするから不思議です。


ごはんとみそ汁、切干大根はりはり漬、名物?具のないみそ汁です。
あれだけ食べてきた胃袋が、ごはんで落ち着き、そしてみそ汁ですっきりします。


石川県の加賀野菜のひとつ五郎島金時、デザートも「あらまつ」風です。
柔らかく、ほどよい優しい甘みのさつまいも、温めて出すだけです。


楽しくおしゃべりしながら料理とお酒を味わっていると、いつの間にか外はすっかり暗くなっていました。
ちょっと遅めのお昼が気がついたら晩ご飯に、ずいぶんと食べたわけです。


玄関にかかる「あらまつ」の暖簾。
優しい灯が、shigeちゃんの人柄を表しているようです。


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・「素朴料理 日本酒 あらまつ」(ブログ
住所 〒590-0454大阪府泉南郡熊取町新野田2丁目11-7
電話 072-486-6077
営業時間 12:00-21:00、予約時に確認(2日前までに要予約)

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