先の3・11東北地方太平洋沖地震で、震度7を記録した地域です。
東北道を築館インターで降りてから、しばらく内陸の方に進んでいきます。
うっすらと雪に覆われた田園地帯を走っていくと、煙突が見えてきました。
金の井酒造です。
三浦社長とは、去年の5月にお会いして以来、蔵におじゃまするのは初めてです。
早速蔵の中に入ると、甑にコンベアがかけられ、翌朝の準備が進められていました。
すぐに麹室に入り、三浦社長から麹についての説明を受けます。
説明の途中に麹屋さんが入室されたので、さらに細かな説明をしてもらえました。
懐中電灯を当ててみると、1日違うだけで破精込み方が大きく違うのがわかります。
説明を受け、実際に麹に触ってみると、
温度がちょっと特徴的なのかなと思いました。
続いて、吟醸蔵に移動しました。
八反35の40%純米大吟醸などが並んでいましたが、書かれていた「ほの馥(ふく)」という酵母の名前が気になりました。
これは、県の産業技術総合センターで開発された酵母で、県内で積極的に使っていこうという動きになっているそうです。どんなお酒になるのか、興味があります。
続いて、酒母室と仕込み蔵を見せてもらいました。
この重厚な入口が、蔵の歴史を物語っているようです。
酒母室には、宮城酵母を中心に3本ほど並んでいました。
全体的に色が濃いような気がしたのですが、それは酵母と関係があるのでしょうか。
どの酒母も、とっても元気にブクブクわいています。
酒母を見た後は、仕込みタンクを順番に回りました。
足場がしっかりしているので、割と安心して歩くことができます。
1,000~1,200kg仕込みのタンクが多く、こちらも宮城酵母が中心でした。
あの黒澤米のもろみもありました。
酵母はほぼ統一されているのですが、米と精米歩合がタンクごとにかなり異なっていました。
賑やかにアピールする訳ではないのですが、細かく研究しながら造り分けている、そんな感じを受けました。
冷蔵庫にも入りました。1,800ml換算で37,000本入る冷蔵庫だそうです。
造りの規模からするとかなり大きな冷蔵庫ですね。
「宮城の酒」P箱が、これだけきれいに揃っている冷蔵庫もはじめて見たような気がします。
壮観です。
冷蔵庫側から蔵を見渡してみます。
すっかり周りは薄暗くなっていました。こうして見ると、本当に田舎の静かな蔵という感じです。
こんな静かな場所でお酒が造られているのが、なぜか不思議、そんな静けさです。
最後の試飲は、特別純米2種類と純米吟醸・純米大吟醸の4種類でした。
全体的に言えることは、始めの印象と温度が変わってからの表情が大きく変わってくることです。
温度変化と、これからの熟成の仕方など…、じっくりと味わっていきたいお酒だということを再確認しました。
準備が終わった甑の辺りは、ひっそりとしていました。
まるで明日への英気を養っているかのようでした。
自動車を運転しないと行きづらい場所にあるのですが、それだけの価値のある訪問でした。
これからも注目していきたいお酒です。
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・「金の井酒造」
住所 〒987-2303宮城県栗原市一迫川口町浦1-1
電話 0228-54-2115
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